いまさらMac OS X
1.
Macintoshを買い換える時
2007年10月26日、Mac OS X v10.5 (Leopard)が発売された。別に私はそれほど新しいものを追いかける趣味はないので、それはどうでもいいのだが、さすがにバージョン10.5ともなると多少のあせりを感じ始める。
現在私がグラフィックデザインの仕事用に使っているパソコンは2002年に購入したPower Macintosh G4で、なんともう5年。ドッグイヤーのパソコンの世界ではたいへんな年月である。そして2001年には世に出ていたMac OS Xが搭載されているのにかかわらず、いまだにOS 9.2で使っているのだからその時代遅れたるやそうとうなものだろう。
そろそろグラフィックデザインの仕事用パソコンを新機種に買い換え、Mac OS Xを使い始める潮時かもしれない。
そもそも私がMacintoshを買い換えるのは、いつも新機種が出て、旧機種が市場から消えるかもしれないとあせりはじめた時と決まっている。当然買うのは旧機種。仕事用なので安全第一が選択の基準だからである。
こういうパターンが定着したのには、悲しい理由がある。生まれて初めてMacintoshを買う決心をしたのが1992年のことだったのだが、その年はちょうどMacintoshのOSがそれまでのSystem 6から大きく変わって、漢字Talk 7というものになった年だったのだ。
右も左もわからないMacintosh初心者であった私は、パソコンなら当然最新機種がいいに決まっていると、漢字Talk 7が発売になるまでわざわざ数ヶ月間待って、それこそ当時の最新機種を購入した。
その結果、使いたいソフトはほぼすべてが新しいOSに対応しておらず、使いたくとも使えないということがわかり、さらに数ヶ月間役にも立たないパソコンを眺めて過ごすというまことに愚かな日々を送ることになってしまった。
当然それ以後は、新しいOSには手を出していない。
2.
OS Xはかつて評判が悪かった
そうはいっても、5年間もの長きにわたりOS Xを忌避していたというのは、いくらなんでも長すぎる。なぜそんなにも使わなかったのかといえば、デザイン・印刷業界でのOS Xの評判がすこぶる悪かったというのが最大の理由だ。あとは買った当初いじってみたOS Xがたいへんに使いづらかったから。そんなわけでOS Xにするメリットがあまり見出せないまま、そしてあとは惰性でついつい5年も放置してしまった。
しかし、5年の間にOS Xも周囲のソフトなどもどんどん進化をしていたらしく、どうやらOS Xの悪評はすでに消滅したようである。そもそも、現在OS 9の搭載されたMacintoshなんて、中古品でもなかなかないだろうという状態だし。
ということで、ぼちぼち私も次のマシン購入を視野に入れなくてはならなくなってきた。とはいえ、以前使いづらかったという記憶があるので、乗り換えるのはたいへんに憂鬱な作業である。グラフィックデザイン用もWindowsにするという選択肢もあるなあ、とぐずぐず考えてみたが、ともかく現マシンにOS Xが搭載されていることだし、とりあえずいじってみることにした。
3.
新マシンへの乗り換え準備
起動ディスクをOS Xに切り替えても、仕事で使うソフトもフォントも入っていないので現時点で仕事用にするのは無理。ソフトやフォントのインストール作業から始めなくてはいけない。そこで今使っているソフトやフォントのマニュアルを読み直してみたら、なんとほとんどがOS Xに対応しておらず、インストールはできないということがわかった。当時はあまりにも悪評だったので、OS Xは「想定外」だったのだ。やっぱり一応最初からOS Xも視野に入れておくべきだった。先見のなさを悔やむのみ。残念。
仕方ないので仕事用はあきらめて、目的はとりあえずOS Xに慣れることとし、あれこれいじってみた。すると、驚いたことに、5年前にはあんなに使いづらかったOS Xがさほど問題なく使えるようになっていた。おそらくWindowsっぽい操作感に拒否反応が起きていたということで、Windowsを使い慣れた今はまったく問題なし。PhotoshopとIllustratorもいじってみたが、若干のとまどいはあるものの、すぐに馴染めそうである。
結局あっけなくこの課題は片がつき、いつでも乗り換えはできそうである。価格のことを考えるとちょっと躊躇するけれど、やっぱり昔馴染みで画面ががぜん美しいMacintoshの方に軍配が上がる。まだまだグラフィックデザイン用はMacintoshか。
それにしても、まだ十分使えるマシンをどのタイミングで買い換えよう。まったくもってパソコンには振り回される人生だ。
ちなみに、私は2002年に購入したPower Macintosh G4をOS 9.2で使用していると書いたが、実は我が家には1998年購入のPower Macintosh G3 MT300というマシンが現役で働いている。コピーライターの夫が仕事で使用しており、OS はなんと8.2。まったく原稿書きは気楽でいい。10年ものの骨董品でも悠々用が足りるのだから。
4.
Safariがもたらした新たなる手間ひま
フォントも入っていない現在のOS Xでできることはごくわずかだ。でも、次のマシン購入までは、忘れないようにしばしば使っていたい。そこで、ブラウザのSafariで自分の作ったサイトをチェックする作業に充てることにした。
ブラウザのSafari初体験。いやー、驚いたのなんの。なんて美しい、画面と文字が。OS 9のNetscapeやInternet Explorerでも画面と文字はWindowsより美しいとは思っていたけど、さらにパワーアップ。最近はすっかりWindowsでのInternet Explorerに慣れきってしまっていたので、これがWindowsで見たあのページと同じページなのかとまさに衝撃を受けた。この美しさは、実にデザイナー心をくすぐる。
さて、美しきSafariだが、大きな問題がひとつ浮上した。Macintosh購入にかかわる問題ではない。私がデザインしたWEBページが、部分的にSafariだと崩れるということが判明しただけだ。まあ、さもありなんなのだが。
主たるものは、Cascading Style Sheetsでボックスの横幅を決めて左右に余白をとると余白分右に飛び出してしまうこと。
知らないという事は幸いなのだ。知ってしまった今は、あきらめの吐息とともにせっせと検証して修正するのみ。こうしてまた、デザインに関わる手間が増えてしまった。 どこまでいっても、金はかかるし手間はかかるし、パソコンなんて本当にとんでもないシロモノだ。
2007年10月30日